勝手なイメージだけど、フィリピンはなんだか危なそう・・・。費用は安いけど、治安が心配で留学を決められない。実際はどうなの?
5年前、フィリピン留学に行ったわたしは詐欺に遭いました。
今回は恥をしのんで、実際にわたしが遭ったフィリピンの詐欺の体験を踏まえつつ、フィリピンの治安について紹介していきます。
【フィリピン留学】トランプ詐欺とは?
その名の通り、トランプカードを使った詐欺です。
繁華街やショッピングモールを歩いていると、知らないフィリピン人に話しかけられます。そうして打ち解けて親しくなったところに、家に来ないかと誘われるのです。
ついていった先の家では、お金をかけたカードゲームをさせられ、最終的に高額のお金を巻き上げられる詐欺です。
簡単に説明するとこのような感じです。
こんなのに騙されるとかアホやん。
わたしもそう思ってました!(笑)まさか自分が当事者になるなんて思いもよりませんでした。
相手は詐欺のプロなんです〜!言葉巧みに誘われちゃったんです。(反省)
【実話】フィリピン留学トランプ詐欺の手口
実際に詐欺の被害に遭った時のエピソードを時系列で詳しく紹介していきます。
ノンフィクションです(笑)
目次
トランプ詐欺エピソード1:話しかけられる
ある日わたしは、フィリピンのセブ島にある大きなショッピングモールで、買い物をする予定でいました。
近くにあるCity Bank(シティー・バンク)でお金を下ろして、モールに入ってちょっと歩いたところで、2人のフィリピン人女性に話しかけられました。
Wow! I like your hair colour!
(わお!あなたの髪色ステキね)
Oh! really? Thank you!
( 本当?ありがとう!)
いきなり話しかけられたのでちょっとびっくりしましたが、実はそんなに珍しいことではありません。
フィリピンもそうですが、海外では知らない人に話しかけたり、挨拶したりする人はよくいるものです。
フレンドリーな人がとても多い。
当時のわたしは、髪の色がとても明るくて目立っていたと思います。
「その髪どこで染めたの?」「日本で染めたよ!」という、ごく自然な会話からはじまり、
My daughter is going to Japan for study next month!
(私の娘が来月日本に留学するの!)
Wow! Great!
(わー!すごいですね)
なんと娘さんが日本に留学予定だと告げられました。
「なんて偶然!」とびっくりする私。そこで一気に親近感が増しました。
「でも、娘1人で日本に行くのは少し不安なの。もしよかったら、日本のこと教えて欲しい。娘と友達になって、日本語を教えて欲しいんだけど・・・。」
もちろん!いいですよ!
この会話の流れ、自然過ぎませんか?!(笑)
「そして家に娘がいるので、家まで来て欲しい」
と言われ、ホイホイ付いていったのでした・・・。(カモ決定)
トランプ詐欺エピソード2:家に誘われる
そうして、軽い気持ちで承諾してしまった私は、彼女らと一緒に車に乗り自宅へ。
車内では、日本語を教えて欲しいと絶えず話しかけられ、車酔いに。
実はこれも彼らの手法らしく、自宅までの経路をわからなくするための工夫です。
家に着くと、他の家族が暖かく出迎えてくれて、一緒にランチをご馳走になりました。日本へ留学へ行くという娘さんは、病院に行っているので、それまで待って欲しいと。
その時に、「記念に写真を撮っていいですか?」と尋ねると断られました。「フィリピンでは家の中で撮る写真は失礼にあたるのよ」と言われて、「そうなんだ〜」と納得してしまうわたし。
そりゃ、身バレしたらまずいですもんね。
「ランチの写真は撮ってもいいよ」と言われたので、撮ったのが上の写真です。(貴重な詐欺グループ宅でのランチ画像)
トランプ詐欺エピソード3:カジノディラー登場
娘さん待っている間、カジノで働いているという男性が登場。「カジノのトランプゲーム教えてやろうか?」と誘われます。
実はその時、語学学校の近くの「ウォーターフロント」というホテルのカジノに行きたいと思ってたので、ある意味完璧なタイミングでした。しかもその男性はそこのホテルのカジノのディーラーとのこと。
「ちょうどそのホテルに行きたいと思ってました!」
と、軽くテンション上がりつつ教えてもらうことになりました。わたしちょろ過ぎですね。(笑)
そしてトランプゲームのやり方や、ルールを丁寧に教えてくれて、男性がこう続けました。
実は昨日、ホテルの俺の客が大儲けしたんだけど、チップをいくらもくれなかったんだ。勝ったら5%のチップをくれると約束したのに。俺あいつ嫌いなんだ。実はその客が今日、うちに来ることになってるんだけど、ソイツと勝負して一泡吹かせてやりたい。協力してくれない?
まぁ、トランプゲームならいいですよ。
(ばかやろー!)
トランプ詐欺エピソード4:大富豪の男登場
そして、お金持ちそうな小ぎれいな格好のおじいさんが登場。
早速ゲームをすることになりました。カジノの男がゲームをコントロールしていたので、わたしが圧倒的に勝っていました。
そうしてゲームもそろそろ終盤というところで、大富豪のおじいさんが、「これで最後、全部賭ける」と言って大金を賭けはじめました。
大量の米ドル札が目の前にどっさり。
・・・・。
わたしが言葉を失って、困ったようにカジノ男の顔を伺うと、彼もまた困惑の表情を浮かべていました。
もともと、ずっとプラスチックのコインのようなもので賭けをしていたのですが、大量の現金(しかも米ドル)が出てきてびっくり。
すると大富豪のおじいさんが、
「僕はこれだけのお金をリスクを冒してかけている。君も同じ金額を賭けないといけないよ。それがルールだから。」
しかし、そんなお金の持ち合わせはありません。
カジノ男は、「とりあえず財布に持っているお金を出して、あとはクレジットカードに入ってますって提示するだけでいいよ。」と耳打ち。
わたしはその通りにし、クレジットカードを2枚見せました。
しかし、大富豪のおじいさんは納得しません。
いやいや、これはフェアじゃない。僕は今ここに現金を提示して賭けている。クレジットカードにお金がちゃんとお金があるって証拠がないだろう。
お金を下ろしてくるか、もしくはそうだね、ジュエリーとか電子機器とかでもいいだろう。それを出して、同じ額だけ賭けないと、これはゲームとして成り立たない。君が最後勝ったら、全額君のものだよ。でもまずは、同じリスクを賭けないとフェアじゃないでしょう。
と、言われ、「確かに」となぜか納得するわたし。
騙されてると早く気付いてわたし!(笑)
そうして、わたしとカジノディーラーはそれぞれお金を集めなければいけない状況になりました。
トランプ詐欺エピソード5:高額なジュエリーを買わされる
わたしのクレジットカードから、ATMで現金を下すことがなぜかできませんでした。(不幸中の幸い)
しかしその代わりに、「ジュエリーを買いに行こう」と言われ、高額なジュエリーを2つ購入。
総額、約25万円。
カジノ男は、ホテルに戻って金庫から金を集めてくると言っていました。
そして私たちはベストを尽くしましたが、結局彼の賭けた金額にはとどきません。そしてカジノ男が、
俺もあまりお金を集められなかった。あのオヤジは怒るだろう。君から、もう一度チャンスをくれと頼んでくれないか?明日までにはお金を用意できると思う。そして僕らが勝って、あのお金を山分けしよう!
わかりました。・・・。
そうわたしが頼むと、大富豪のおじいさんは、
「もちろんだよ。僕はジェントルマンだからね。ただし、明日までに用意してね。そうでないと、このお金は全部僕のものになるよ。」
そして、結局この件は明日に持ち越しになりました。
財布の中の現金と、購入したジュエリーは金庫に保管しようということに。
明日の10時頃に待ち合わせして、また会う約束をしました。
そして彼らはタクシーで、語学学校の近くまで送ってくれました。
こうしてわたしの長い1日が終了。
【トランプ詐欺】騙されたと気付いてからの行動とできることは?
わたしは自分の語学学校に戻ってから、部屋でクレジットカードの上限の上げ方を調べていました。
驚いたことに、まだ騙されたことに全く気付いてなかったのです。この鈍感ぶりは恐ろしいですね。(笑)
その時の心理状態というのは、
「なんだか非日常的なことが起きて不安な気持ち」と「フィリピンのローカルの友達ができて嬉しい」と、「このゲームでワンチャンあるのでは?」
というゲスい気持ちが入り混ざってました。(笑)
しかしふっと、
「あれ?そういえば、日本に留学するっていう娘さんは?」
思い出してみると、娘さん全然帰ってこなかったな。
そこからなんだか不安になり、「まさかなぁ」なんて思いつつ、半信半疑フィリピンの詐欺についてググってみると、
出てくる出てくる、わたしと全く同じ実例が・・・!!
そこで初めて、
わたし騙された!!!!
と、気付きました。(遅すぎィ!)
怒りに燃えまくると同時に悲しくなりました。
なぜかというと、わたしはあの人たちを信じてたからです。
本当にアホなんですけど、本気で「ローカルの友達ができた」と思っていました。わたしはあと2週間で、日本に帰国予定。「またフィリピンに来たときは、うちに遊びにきてね」とまで言ってくれて、本当に本当に嬉しかったんです。
それなのに全部騙してたなんて・・・。みんなグルだったなんて・・・。
騙し取られたお金とジュエリー、明日取り返してやるー!
【悲報】できることは何もない
わたしの学校のオフィスに行って、遭ったことを全部話しました。すると、
「残念だけど、私たちにできることは何もない」
と言われてしまいました。
騙し取られたお金も、ジュエリーも取り返すことは不可能。
そして、「明日の待ち合わせには絶対に行ってはいけない」と言われました。
この件に関しては複雑で、まず警察に訴えること自体が難しいのです。わたしがやっていたことは、故意でなくてもギャンブル。
フィリピンでは、公式な娯楽賭博施設(カジノ等)以外でギャンブルや賭博をすることが法律で禁じられています。
つまりそうなると、わたしも罪に問われ、捕まる可能性もあるのです。
さらにこの手に関しては裏の根っこが深く、日本でいうヤクザが絡んでいることも多い。警察でさえも裏で繋がってることもあるのだそう。
そうなると、警察に訴えたところで、わたしの身の危険も危なくなるわけです。
奪われたお金を取り返したい一心で、彼らに再び会いに行ったら、本当に危険です。
フィリピンは銃社会
フィリピンでは警察はもちろん、セキュリティーガードマンの銃の所持が認められています。許可なしでは、所持できませんが、不正なルート使って銃を所有している人もいるのだそうです。
そのため、いつ誰が銃を所持しているかわかりません。
わたしは詐欺グループのフィリピン人の家に、たった1人で行きました。もしわたしが勘が鋭く、トランプ詐欺に気づいて逃げようとしたり、暴れていたりしたら・・・、
簡単に口封じできてしまいます。
フィリピンをはじめ、発展途上国では命がとても軽く扱われています。人が1人死んでも、動いてくれない警察もいるのです。
「生きて帰ってきただけで、よかったよ」
と言われて、事の重大さにやっと気付きました。
25万円は高い授業料だと思って、諦めました。本当に軽率でした。
フィリピンの治安
フィリピンは発展途上国です。
セブ島やマニラなどの都会はとても発展していて、大きなビル群もあります。しかし、一本細い道に入るとスラム街のような場所もあるのがフィリピン。
場所や時間帯によっては、治安が悪いところもたくさんあります。
しかしながら中心地であれば、カフェやショッピングモールもたくさんあり、インフラも整っているし、治安はいいです。高層ビルも立ち並び、日本の都会のような街並みもあります。
ところが、そんなセブ島の大きなショッピングモールで、わたしは詐欺に遭いました。
これは、その場所の治安の良し悪しに関わらず、自分自身が気を付けていれば防げたことです。
発展途上国のフィリピンは世界的に見たら、治安が悪いエリアも結構あります。一概に安全とは言えません。
しかし、正直日本のより治安の良い国はほぼ存在しないと思っています。「海外で英語を学ぶ」「海外で仕事をする」「海外生活する」という目的がある人は、日本基準の治安の良さを求めたらどこにも行けません。
つまり、フィリピンには「治安が悪いエリア」こそあれど、基本的なことに気をつけていれば、快適に過ごせる国なんです。
だから、あまり怖がらないでくださいね。
フィリピン留学で気をつけるべきこと3つ!
25万円も騙したられたわたしが、「フィリピンで気をつけるべきこと」を紹介します。
①知らない人について行かない
・・・当たり前やん。
みなさんの心の声が手を取るようにわかりますね。(笑)
フィリピン留学に来ている留学生は、英語を勉強しに来ています。常に「英語を話せる機会」を探していますし、「日本人や留学生以外の友達を作りたい」と思っています。
英語で話しかけてくるフレンドリーなフィリピン人がいたら、ついつい嬉しくなって、友達になりたいと思ってしまうんです。ごめんなさい。
しかし、そんな気持ちはグッと我慢。
- いきなり話しかけてくる
- 日本に留学に行く、旅行に行くなどの話をされる
- 家に来ない?と誘われる
1つでも当てはまったら疑いましょう。
②高価な物を身につけない
フィリピンでは、ストリートチルドレンや物乞いの人もいます。また、高価な物や財布を狙うスリの常習犯もいるのです。
ブランドの服や、大金を入れた財布、iPhoneの携帯電話など、安易に身につけたり、治安が悪いエリアで持ち歩かないようにしましょう。
ポケットに携帯や財布を堂々と入れて持ち歩くと、スリに遭う留学生も多いです。
③女性は1人で出歩かない
フィリピンでは、女性のレイプの被害なども報告されています。
外国人の被害はめったに聞くことはありませんが、女性の1人歩きはおすすめしません。わたしも1人でショッピングモールを歩いていた時に、声をかけられました。
女性は標的にされやすいです。数名で行動しましょう。
【フィリピン留学の詐欺】25万取られた私がトランプ詐欺を徹底解説!まとめ
以上、わたしのトランプ詐欺の体験でした。
もしかしたら、この記事を読んで怖くなってしまった人もいるかもしれません。
でも正直、海外に出たらこのような詐欺はどこにでもあります。日本より治安のいい国はないのでは、と思います。それを気にしていたら、海外には行けないです。
わたしも被害に遭った1人ですが、基本的なことに気を付けていれば、防げることばかりです。25万円は大きな授業料になりましたが、フィリピンにはそれよりも魅力的なものがたくさんあります。
これから留学に行く人も、今している人も、安全でかつ楽しい留学生活を送れることを願っています。
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