私はカナダのモントリオールという都市に、約2年間住んでいたことがあります。生活していく中で、いろいろな考え方・価値観に触れて、自分自身の価値観が変わりました。
「こんな考えもあるんだ!」と驚きの連続。
価値観は人それぞれ。海外に行ったら、新しい自分を発見できるかもしれません。
今回は、私が気付いた日本とカナダの考え方の違いと、変化した自分の価値観についてシェアします。
※ここでいう「外国人」は、主にカナダ(北米の人)の人の価値観のお話になります。
目次
仕事に対する価値観〈サービス残業という言葉が存在しない〉
カナダでは「仕事よりプライベートが大事」と思っている人が多い。有給休暇をフルに使って長期のバケーションに行くのが普通です。少なくとも2週間がミニマムで、長いと1ヶ月の長期休暇を取る人も。
「サービス残業」という言葉自体存在しませんし、それをやらせた会社は法律違反になります。多少仕事が残っていても、就業時間にはきっちり帰ります。(むしろ5分前にはもう帰る!)
そして仕事の後のプライベート、友人との時間、家族との時間を楽しむ人が多いです。
お客と従業員の関係も日本とは異なり、「お客様は神様」という概念は一切ありません。どちらも対等な関係で、「買えて嬉しい」「売れて嬉しい」のWin-Winの関係です。
そのため、あまりにも横暴な態度のお客がいた場合などは、毅然とした態度で対応しますし、時にはこちらから入店を拒否することもあります。
職場においても、部下と上司の上下関係は、日本よりもフラットであることが多いといいます。
変化した仕事に対する価値観:そんなに頑張らなくていい!Don’t Work Too Hard!
ここまで書いてて普通に思うのですが「カナダの仕事に対する価値観」の方が明らかに理にかなっていると思いませんか?(笑)残業なんて、残業代が出ないのならやる必要ないはずです。
旅行でたった5日間有給を取っただけで肩身がせまい、なんてのもありえない。「休暇を取る」ことは全然悪いことではなく、むしろ必要な時間です。
約2年間カナダに住んで、この考えがもはや「普通」になりました。日本の仕事に対する真面目さは本当に関心するし、世界に誇るべきものだと思います。ですが「もう少し肩の力を抜いてもいいんじゃない?」と、思ってしまいますよね。(とはいえ私も根が仕事人間なので、働きすぎることも…)
日本ではよく「お仕事頑張ってね」と送り出すことが多いかもしれません。でも北米では「Don’t work too hard(頑張りすぎないでね)」と言う人が多いといいます。
働き過ぎは良くない。たまにはサボる日があってもいい。なんて考えに変わってしまいました。
年齢に対する価値観〈年齢はただの数字〉
日本だと年齢を気にする人が、本当に多いことに驚きます。
カナダでは、年齢を気にする人は少ないです。いくつになっても新しいことに挑戦しますし、自分のしたいことを続ける人が多い。年齢を重ねることに対して悲観的に考えず「年齢」という数字に執着していないと感じました。
日本にある「アラサー」「アラフィフ」「おばさん」「ババア」など、年齢に対するネガティブな言葉は、カナダにはほぼありません。
カナダから帰国後、私は25歳でした。その時に言われた「もうアラサーなんだから」「もう年だから」という言葉が、結構衝撃的でした。ちょっと露出の多い服なんて履いたら、「ありえない」とか「キツい」とか(笑)逆カルチャーショックで、価値観の違いに驚かされたエピソードです。
変化した年齢に対する価値観:年齢じゃなくて人生にフォーカス!
日本で年齢に対して言われることが多く、気にするようになった時期があります。おそらく女性なら25歳過ぎたあたりに、一度は「年齢を気にする」時期が来るのではと思います。
でも、よく考えてみてください!人生80年あったとして、20代、30代なんてまだまだ若い。
人生まだまだ長いのに、1年歳を取るごとに悲観してたらやってられないです。
歳はみんな平等に共通に取っていくものです。今10代の人も20代になるし、20代の人は30代になる。歳を取るなんて当たり前のこと。そしてこれから歳が若返るなんてこともありません。
この事実はもう変えられないですし、年齢という数字に執着しないで、どんな人生にしたいのかにフォーカスするのが最善ではないでしょうか。
そして人の年齢をとやかく言う人は、正直大したことない人ほとんどですし、どうでもいい人ばかりなはず!(笑)私は何を言われても気にしなくなりましたし、気にするのは時間の無駄だと思うようになりました。年齢はただの数字。
カナダで生活して「年齢に関係なく好きなことをしている」「全く気にしない」という人たちの中にいたからこそ、年齢に対する価値観が変わりました。
結婚に対する価値観〈結婚=ゴールじゃない〉
これもちょっと「年齢に対する価値観」の続きみたいになってしまうかもしれません。
日本の「結婚」に対する価値観はすごい重いですよね。(今はその価値観も古いとされているかも?)「30歳になる前に結婚したい」という女性も多く、焦っている人も多いのではないでしょうか。
カナダでは「結婚しない」「子供を作らない」という選択をする女性も少なくありません。長年付き合っている彼氏はいるけど結婚しない人や、結婚してないけど子供はいるというカップルもいて、人によってさまざまです。
「結婚」に対して、そこまで執着していない気がします。年齢によりそろそろ結婚を考える、焦りを感じている、という人も日本に比べたら少ないと感じました。
「結婚して、子供を育てて、幸せな家庭を作る」のが当たり前であった日本。結婚できないことへの焦りや、何らかの劣等感に振り回されている人が、いまだにいるのかもしれません。
変化した結婚に対する価値観:無理に結婚しなくていい
結婚って、確かに素敵なことです。愛する人と正式に夫婦になって、生活を共にできるのってきっと幸せですよね。でも私は「無理に結婚しなくていい」という価値観に変わりました。
「早く結婚したい」と無理に結婚相手を探したところで、最良の人を見つけることは難しいでしょう。結婚するために相手を探す「結婚」が目的の恋愛ではなく、この人とずっと一緒にいたいなと思う恋愛関係の過程での「結婚」が自然なのではないかと思います。
そしてもしずっと一緒にいれるなら、別に結婚しなくてもそこは大きな問題ではない。大事なのは必ずしも「結婚すること」ではない、という価値観になりました。
お金に対する価値観〈貯金より投資〉
「日本人のマネーリテラシー(お金の知識)は低い」と聞いたことがあります。正直人それぞれだと思いますが、そう感じるのは、いまだに現金を使っている人が多いことです。これは世界的に見ても、先進国では日本くらい。
カナダでも現金を持ち歩く人はかなり少数派で、支払いはクレジット・デビットカードが当たり前でした。そして驚きなのが、北米(アメリカ・カナダ)は、貯金をしている人が少ないことです。
北米での平均的な貯蓄額は50万円ほど。全く貯金していないという人もいるほどです。
一方日本人は、貯蓄額でいったら世界的にみてもかなり上です。堅実な国民性がでていますね。(ちなみに私も貯金大好きです)
変化したお金に対する価値観:節約より増やすことが重要
私はカナダに行く前からカード払いの習慣があり、そこは大きな変化はありませんでした。1番大きく変わった価値観は、貯金に対する考え方です。
私は貯金や節約が得意な方でした。コツコツ堅実に貯めていくのが得意でしたが、貯めるために生活の制限もかなりしていたのです。
一方、私の夫はカナダ人ですが、節約しているそぶりは全くありません。長期のバケーションに行ったり、大きな買い物も躊躇なく購入したりします。
すごい高給取りというわけではないので(笑)なぜだろうと思ったら、彼は株や投資で資産があるようでした。アメリカやカナダでは投資文化が根強く、個人で資産運用するのが当たり前です。
単に貯金してもそこからいくらもお金は増えませんが、株や投資で資産を増やすことができます。貯金額は少ないけれども、別のところに資産がある人が多い。
「貯めること」より「増やすこと」にフォーカスしている人が多い印象です。私も節約より、増やすことが重要と考えるようになりました。
女性としての考え方
私はカナダに住む前、日本に住んでいて「女性として差別された」と感じたことはありませんでした。しかし心のどこかで、不利だな、フェアじゃないなと思うこともしばしば。仕事人間だった私は、自分のキャリアのことを考えたくても、結婚や出産のことも考えなくてはいけない。結婚したら、家事と育児でキャリアを諦めなければいけない、とやるせない思いをすることがありました。
自分の両親を見ても、どうしても夫婦なのにフェアじゃない、と子どもながらに感じることも。しかしそれは女性の性質上、仕方ないことだと思っていました。
しかしカナダに来てみて、価値観の違いに気付きました。女性で結婚して子供がいても、キャリアを積んでいける環境があり、理解がある。女性のことを尊重してくれる社会があって、本当にびっくりしました。
カナダから帰国したあとの転職活動で「お子さんの予定はありますか?」と何度聞かれたかわかりません。しかし面接や面談において、カナダでこの質問がされることはまずないです。
そしてカナダにいる女性も自信で満ちていて、自立したかっこいい女性が多い。日本の女性とは、考え方が結構違うことに気づきました。
変化した女性としての価値観:自立した女性が魅力的と感じる
私の日本人の友達で「結婚して旦那の扶養に入って専業主婦になりたい」という子が、結構いました。私はそれが結構衝撃で、失礼ながら「自分のやりたいことはないの?」と尋ねてしまったことがあります。
日本人女性の「専業主婦になりたい」人の多さは、北米に比べてかなり多いようです。人にはそれぞれ価値観があるので、良し悪しをつけるべきではありません。
しかし、私はもともと「専業主婦」や「結婚すること」自体に価値を見出してなかったのもそうですし、カナダの自立した女性がとても魅力的に感じていました。
男性も女性を対等にみてくれて「女性だからこうあるべき」を押し付ける人も少ない。日本にいて、どこか諦めていたこと、モヤモヤしていたことが晴れて、女性としての考え方も変わりました。
日本に対する世界の考え方・価値観
私はカナダに行くまで、世界に対する知識がほとんどありませんでした。テレビで得た情報が全て、くらいに思っていたかもしれません。
日本は世界的にみても優秀な国だし外国人に人気なんだと、安易に思っていたし、またテレビで見る韓国や中国の「日本ヘイト」の映像だけで、人を国籍で判断してしまう自分もいました。実際に会ったこともないのに、よくそんなことができたなと、今では自分にびっくりします。
実際に外に出て、遠くから自国を見てみて初めて気づくことがたくさんありました。
海外に行ってみて気付いたことは、日本に好意を抱いている人はもちろんいるけど、そうじゃない人もいる。(当たり前ですね笑)日本が嫌いという人ももちろんいます。
日本がどこにあるのか知らない人もいました。あとは中国の1部だと思っている人も。
そして海外に行くまで、韓国人にも中国人にもほとんど会ったことがなかった私ですが、海外では謎の「同じ仲間感」が生まれました。(笑)やっぱり同じアジア人。考え方や文化が似ているところがあります。
会って話せば、同じ人間だなと思う。テレビで見た悪いイメージだけがひとり歩きしているように感じました。
変化した世界や自国への見方:客観的に見れる
海外にでてみると、日本の悪いところ・良いところが客観的に見えてきます。
日本にずっといるより、何倍も視野が広くなりました。いい意味で、日本は小さい島国なんだと改めて思い知らされましたし、逆にやっぱり日本はすごいと感心することもたくさんありました。
「日本は世界で1番素晴らしい国だ!」「いや、日本なんて世界からみたら終わってる」という極端な考えには至りません。
極端に賛美するわけでもなく、卑下するでもなく、フラットに自国や世界を客観的に見ることができるようになったのは、海外で生活していたおかげだと思います。
外国人と日本人の違い!日本の価値観は通用しない?まとめ
以上、海外に行って180度価値観が変わった話でした。
カナダには、いろんな国籍の人がいていろんな考えを持った人がいました。とても刺激になったし、自分がいかに小さな世界にいて、その価値観に縛られていたのかがわかりました。
カナダ(北米)の物事に対する価値観は、どうやら自分に合っているようです。理にかなっていると思うし、しっくりくる。日本の価値観(お客様は神様、若さが重要、30前に結婚するべき・・・など)は、悪いことではないですが、海外では当たり前ではありません。日本でしか通用しないです。
自分の価値観が変わって、結果的にいい方向に人生や生活スタイルも変わりました。海外留学や、ワーキングホリデーで行きたいのに躊躇している人は絶対行くべきです。きっと絶対成長するし、価値観が変わることがあるかも。
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